2017年2月2日に現地でのプロジェクトのまとめとして、最終シンポジウムを実施しました。シンポジウムにはホニアラ市官民協働会議のメンバーを中心に50名に参加いただきました。 ”As the First Step to Build
Sustainable Future(持続可能な未来づくりへの第一歩として)”というスローガンのもと、シンポジウムではプロジェクトの活動内容の報告を行い、3年間の取り組みの一連の流れを理解していただけたのではないかと思います。また派遣メンバーとして甲東エココミュニティ会議から1名、今回のシンポジウムに参加頂き、地域でのごみ減量活動の意義についてお話頂きました。 市長のスピーチではプロジェクトへの感謝のコメントと今後の市役所の対応として「ペットボトル収集の継続」、「協働会議との連携」、「ホニアラ市環境条例の制定」を行うことが宣言されました。さらに市長からシンポジウムに参加していた民間収集事業者に対し、家庭ごみ収集事業への協力について感謝の言葉が贈られ、改めて官民の意思疎通を図る場となりました。 今回のプロジェクトで私たちが関わった3年はホニアラ市にとっては短い期間だったと思います。幅広いコミュニティ関係者への意識啓発活動などの研修は実施できませんでしたが、本事業による研修や日常のやり取りを通してホニアラ市役所職員にはプロジェクトのコンセプトと活動方法を理解していただいたと思っており、今後、協働会議のメンバーと協力しながら、活動を続けてくれると期待しています。
2016年5月6日、昨年度JICA課題別研修参加者でソロモン諸島大学(Solomon Islands
National University)講師のメアリー氏の廃棄物管理授業の一環で、学生約40名が教室で簡単な講義を受けた後、ラナディ最終処分場の見学に訪れました。メアリー氏は西宮市で学んだごみ学習指導(例:土に還るもの、還らないものの実験・家庭におけるごみ量調査)を現地で実践しています。学生達は初めてダンプサイトを訪れたとのことで、興味深そうにホニアラ市の廃棄物処分の現状を学んでいました。卒業後、ソロモンの即戦力となる学生の方達にとって、とても良い機会になったと思います。
2015年9月29日にソロモン諸島国立大学(Solomon
Islands National University、以下SINU)天然資源学部環境学科の学生約60名を対象に浅利理事が廃棄物管理についての講義を行いました。この授業は協働会議のメンバーでもある、SINUの講師のMaryが今年の6〜7月に当団体が受託し、行ったJICA大洋州研修に参加し、アクションプランとして提案したものです。講義の中では廃棄物の基礎知識やプロジェクトについての説明も行い、学生の方が熱心に耳を傾けておられたのが印象的でした。今後もプロジェクトではSINUと協働し、生ごみのリターン実験などを行う予定です。
2015年4月8日に、ホニアラ市官民協働会議の設立総会が行われました。市役所、市民、企業、リサイクル業者、大学、女性団体、ユース、教会などから14団体29名の方に参加いただきました。総会では協働会議の議長、副議長、書記、会計が選出され、ホニアラ市長のアルフレンス・ファタイ氏が議長となりました。ファタイ市長は議長就任の挨拶で今後のプロジェクトへの期待と各ステークホルダーとの協働の重要性について述べられました。また4つのワーキンググループ(生ごみ、プラスチックごみ、教育・観光、収集ルート)が設置されました。今後はこのワーキンググループの中でそれぞれの活動内容についてより詳しく話し合います。浅利理事からはホニアラ市のごみについての基礎的なレクチャーと2015年の大まかなスケジュールについて紹介があり、それぞれのワーキンググループの活動の方向性についてもお話されました。日本の都市部も以前はホニアラと同じようにごみが溢れていたということに参加者からは驚きの声が上がっていました。 会議終了後は最終処分場とコンポスト作りを行っている団体への視察を行いました。処分場に初めて訪れる参加者もおり、市役所担当者の話に熱心に耳を傾けておられました。 プロジェクトも2年目に入り、具体的な活動が今後スタートしていきます。今回設立されたホニアラ市官民協働会議はその中心となります。“Let’s think of rubbish as our responsibility”(ごみを自分たちの責任として考えよう)を合言葉に様々な繋がりでホニアラのごみ問題改善に向けて一歩ずつ前進していければと思います。
事業名は「New3Rの理念を踏まえた官民協働による家庭ごみの分別収集システムの構築プロジェクト」。官民様々な立場からの様々な立場からの知恵と力を寄せ合って、ソロモン(首都ホニアラ)にて、家庭からのゴミ分別・収集を実現するのが、私たちのミッションです。現在、ホニアラ市では、ごみ減量の呼びかけやモデル地区におけるたい肥化等の施行等を行っていますが、一般的にはごみの分別はほとんど行われず、またごみ収集車の台数も限られているため、ゴミは増え続けポイ捨てなどによる不衛生な環境を作り出す原因となっています。 解決に向けたキーワードはNew3R。基本的な考え方は3R(Reduce,Reuse and Recycle)と変わりませんが、特にRecycleについては、島嶼国特有の条件にあった新たな視点での検討が必要です。例えば世界中で当然のように行われているPETボトルのリサイクルですが、ソロモンを始めとする島嶼国では簡単にいきません。現状では、自国にリサイクルプラントを作るのは難しく、輸出するにも、輸送コストに見合うだけの量や密度にするのは困難なためです。今後、回収・中間処理・輸出(Export for Recycle;将来的には島嶼国内でのRecycleの可能性も)を実現するための方策を、実践的に検討する予定です。
ホニアラ市役所での関係者会議
市内上空からの地図を見ながら
事業概要を説明する浅利理事
穴を掘り、生ごみを土に戻す
子どもたちには初めての体験
NPO法人こども環境活動支援協会(LEAF)
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